アパートと猫
とある連休最終日の昼過ぎ。明日からの仕事を考えたら気持ちは少し憂鬱だ。
そんな憂鬱な気持ちの中、何となくパソコンをいじっていると、脇目に何か動くものが。
なんだろうか。
居間の窓の外には、私の奥さんのお父さんが作ってくれた木のベンチが置いてある。
そこにはなんとも可愛い姿が。
憂鬱だった昼下がり、私の気持ちを察してか癒しの塊が鎮座した。
こんなに嬉しいことはない。憂鬱だった気持ちが一瞬和らぐ。
私は猫アレルギーの猫好きだ。何か食べ物でもあげたいところだが、あいにくアパートだから今後居座られても困ってしまう。本心は居座ってほしい、なんなら窓を開けてそのまま家の中に迎え入れたい。食べ物で誘き寄せてそのまま家の中に。なんて、そんな葛藤をしていた。
そうこうしていると、神様は私の普段の行いを見てくれていたのだろう。こんなに誠実で真面目な男を見たことがないくらいの姿を。
こんなことを書いていると神様に見放されてしまうかもしれないからこの辺にしておこう。
なんと、猫ちゃんがもう1匹来てくれた。
なんというご褒美だ。こんなご褒美をもらったらこの後何か嫌なことでも起こるんじゃないかと不安になるくらいに幸せなひと時だ。
少し遊んでみよう。
うん可愛い。
可愛い以外の表現がいらないほど可愛い。言葉はシンプルにすればするほど単語の意味が強調される。「可愛い」
ローマ字で表現してみるとどうだろう「kawaii」、可愛さが引き立った。
幸せな瞬間は長くは続かないのが世の常だ。
こちらの視線を気にすることなく、プイっと行ってしまった。
つれないねぇ。ツンデレだねぇ。またそこが可愛い。追いかけようとすると逃げていく。儚い幸せなひと時だった。
そんな休日の昼下がり。